不動産に関するトラブルで大切なのは、当事者同士で解決を図らず、専門家の手に委ねることです。土地や建物には複雑な権利関係が介在し、これを規定する法律も多岐に分かれます。勝手な取り決めをしてしまうと、のちのちトラブルになりかねませんので、適切な対処を心がけてください。
裁判所による「立退命令」のように、個人の枠を越えた強制力に頼れるところが、一番のメリットでしょう。ただし、風評被害などを考えると、法的解決より人的解決が求められる場面も考えられます。「リベラルアーツ法律事務所」では、さまざまな観点を示しながら、ご依頼者が適切な対応を取れるようサポートいたします。
現在、貸しアパートに住んでいるのですが、大家から「この土地を使いたいので、次回の契約更新は見送りたい」と言われてしまいました。まだ半年も先のことなので、準備をすれば間に合いそうなのですが、どうしたら良いでしょうか。
ただちに応じる必要はありません。法律で借主の地位は相当程度に保護されています。仮に退去する場合でも、しかるべき「立退料」を請求するべきでしょう。
大家より「立退料」として一定の解決金が支払われることになりました。
「住む」権利は生活の根幹にかかわるため、手厚く保護されています。本件の場合、同じアパートの他の人はそのことを知らず、安々と承諾してしまったのかもしれません。合意に当たっては口外禁止条項が入りましたが、そのような事情が関係していたと思われます。
アパートの家賃を3カ月滞納している住人がいます。1カ月目から定期的に催促しているのですが、連絡すらしてきません。今後、どのような対処方法が考えられるでしょうか。
家賃を粘り強く回収していくか、早々に立ち退いてもらい「健全な借主」を探すか、ご依頼者の考え方ひとつでしょう。ただし、前者の場合、かけた月日が徒労に終わる可能性も考えられます。
滞納家賃を問わない代わりに、部屋を一週間以内に明け渡してもらうことで、合意が結ばれました。
仮に強制執行をしたとしても、滞納者の資力次第では、その費用を回収できないかもしれません。滞納の事実を考えると、むしろその可能性が高いでしょう。ときには、より大きな損をさけるために「小さな損を取る」ことが求められます。
離島にある土地を借りていたのですが、山崩れに遭ってしまいました。そのうえ、都心と異なり、文筆がきちんとされておらず、隣地との境界も定かではありませんでした。自然災害ということであきらめなくてはいけないのでしょうか。
自然災害であったとしても、貸主には修繕すべき責任があります。詳しいお話を伺わせてください。
詳しく聞いたところ、土地の所有者も借主も島におりませんでした。このため、裁判を起こすと、当事者もしくは代理人が島の管轄する遠方の裁判所まで出廷する必要が生じます。その手間や交通費などを駆けひき材料として、和解案をまとめていきました。
この手のケースでは、事案の解決と同時に、再発防止策を講じておくことが欠かせません。起こり得る災害やリスクをふまえ、責任の所在を明確にし、新たな賃借契約書へ落とし込んでいきましょう。
長期間の生活を送る場ですから、近隣との人間関係にも配慮する必要があります。関係者同士が感情的になって火に油を注ぐのではなく、ぜひ、専門家の知見をご活用ください。「まれなケース」であっても、裁判例などに照らしながら、解決の道を探していきます。