こんにちは。
目黒駅近くのリベラルアーツ法律事務所の弁護士の松木隆佳です。
今日,裁判所へ行っていきましたが,ものすごい報道陣の数と警察官でした。
ASKAさんの刑事裁判があったようです。
私が裁判所へ行ったのは夕方で,すでに裁判自体は終わっていたようですが,まだ,普段よりもたくさんの報道陣がおり,夕方のニュースの準備などをしていたようでした。
ところで,このニュースを見て,私はとても違和感を感じております。
「ASKA被告」という表現です。
「ASKA」は本名ではないので,「ASKA」と書くのがおかしい,そのように言っている方もいるようです。
確かに,おかしいですが,私は「被告」の記載に違和感を感じます。
法律では,刑事裁判にかけられた人を「被告人」と呼びます。「人」が後ろにつきます。
民事裁判では,訴えた人を「原告」,訴えられた人を「被告」と呼びます。
ですから,「ASKA被告」と書くと,民事裁判で訴えられた人ということになり,刑事の「被告人」ではないのです。
いつからメディアがこのように表現するようになったのかはわかりませんが,私としては,法律に従った正しい表現で報道していただきたいものであると思います。
以前,民事裁判で「被告」になった依頼者から,「なんで私が『被告』なんですか。『被告』ってなんですか!私,犯罪犯してませんけど!」って不満を言われたことがあります。
そのときも,上記のように説明しましたが,なかなか納得してもらえませんでした。
これも,メディアが「ASKA被告」などと報道する弊害かと思います。